「敵」を読み終えた

敵 (新潮文庫)

敵 (新潮文庫)

会社の先輩から「筒井は良いよ」と言われ、「俺のイチオシは『敵』だ」というので何も考えずに買ってみたのです。
「好き嫌い分かれると思うからちゃんと吟味して」と買ったあとに言われましたが僕のせっかちさには意味をなさなかったという悲しいお話です。
それはさておき。
とても面白い話でした。
実は筒井をロクに読んだことなかったんですよ。
なんかカストリ臭ただようイメージがあって、なんとなく敬遠してたんです。
まぁカストリ臭については予想通りただよっていたわけですが、それを抜きにしてもこの本は面白かったです。
老人文学、と言われてるようですし実際そうなんだろうと思うんですけども、これは老人だけの話じゃないです。
僕がこの15年くらいで感じてきた脳の衰えであるとか意識の混濁であるとか、そのあたりはまさにこんな感じだったんじゃないかなあと思うんです。
まあ書評とかできない子なので評論めいたことは書けないんですけども、夢と現実の区別が曖昧になりがちな人であるとか、常にぼーっとしてる人はこれ読むとなにかしら感じるものがあるんじゃないかと思います。
さあ次はモンテ・クリスト伯だ!
7巻セット買ったのに全然読んでなかったんだぜ!